好きな本
バトン
好きな本を毎日7冊紹介するというバトンをお友達からもらいました。
数日前から少しずつ空気感が変わってきたので1冊だけ紹介します。
「モモ」ミヒャエル・エンデ作
あたりまえのように思ってすごしていた時間、だけどいつの間にか奪われてしまっていたり見えない力でせかされていたり・・。外出が必要最低限になり、家で料理をしゆっくり考える時間が増えて。これまでの感覚をいまあらためて振り返るよいきっかけに。
物語の前半でのエピソード。両親のいない小さな女の子、モモが一人で円形競技場の廃墟に住み始める。
周りの住民は最初は反対するのだけど、頑なにそこに住み続けようとするモモのために、みんなで協力して住みやすいようにしてあげる。
最後に絵心のある左官屋さんが壁に素敵な花の絵を描き、額縁まで描き添えてあげる。
モモは一人で過ごす長い時間を、もしかしたらその絵を見ながら思いにふけっていたのかな。絵の中であれこれ想像したり記憶を辿ったり未来を夢見たり・・。この夜さえ乗り越えられれば・・そんな寂しいときもあったかもしれない。
そのモモの部屋に飾ってあるといいな、そんな絵を描けたらと最近考えながら絵と向き合うことが多い。
今現在も辛い夜をおくっている人はどこかにいて。心の支えになれるようなそんな絵を届けられるといい。